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ドミノのタワー

2022.06.23

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年長のクラスでは、ドミノが大流行。

ドミノ倒しの列を並べるだけでなく、積み木のように建物や動物を作るなど、想像力豊かに遊んでいます。

一人の園児がドミノタワーを作り始めました。タワーが自分の背丈を越えて、その日の遊びの時間は終了。続きができるように、そのまま残しておきました。

次の日、登園した園児は一目散にお部屋に向かい、タワーが崩れずに残っていることを確認。朝の支度をすぐに終わらせ、続きを始めました。

真剣な表情で、一つ一つ慎重にドミノを積み上げていく園児。その姿を見た友だちが、手伝おうと役割分担を始めました。一人はドミノのケースを持つ子、一人は手渡す子、そして、側を通る他の子はエールを送ったり、タワーの近くでは慎重に歩いたりと、クラスのみんなで見守っていました。

もう崩れそうだから、ここでやめようかな…と葛藤する場面もありました。しかし、手伝っていた友だちが、残り少ないドミノを持って、「あと少しだよ!」と背中を押します。その言葉に励まされ、とうとうドミノがなくなるまで積み上げ、遂に高さ約2m30㎝に達しました。

そんな中、そびえ立つ塔がどうしても気になる子がいました。

“ガシャーン”

部屋中に響き渡る大きな音。

みんなが一斉に音の方向を見ると、タワーが崩れていました。

呆然と見つめる作った園児。

タワーの近くにいた子は、「一つだけずれてたから直そうと思っただけなのに」と一言。

触った子を非難する声、作った子をなぐさめる声、いろいろな言葉が飛び交い、一瞬訪れた沈黙で、ずっと様子を見ていた一人の園児が呟きました。

「どっちも悲しかったんじゃない?」

その言葉でみんなが納得し、当事者の二人は、お互い泣きそうな顔をしながらも、仲直りができました。

その後もクラス全体でタワー作りやドミノ遊びが続き、多くの作品が生まれています。

そして、このエピソードには続きが…。

翌日、年少さんがクラスへ遊びに来ることになりました。

「ドミノ、年少さんに壊されちゃうんじゃない?」と心配の声があがりました。

かつて、ブロックの作品を年少さんに崩されてしまったことがあり、悲しいけどしょうがないねと話し合ったことがありました。

その経験があったためか、今回の話し合いの中でも「年少さんはまだわからないよね」という声があがりました。

すると、タワーを作った園児が、ドミノで何かを作り始めました。

‘‘こわしていいよ’’

子ども達は、遊びを通してやりたいことを自分が納得するまで取り組み、その姿を教師や友だちに認められ、受け入れてもらうことで安心して自己を発揮していきます。

そして、遊びの中で相手の感情や考えに気付き、折り合いを付けて他者を認める心を学んでいます。

一連の出来事を見守り、子ども達に任せた担任は、遊びや生活の中で、子ども達は大人が思う以上に色々なことを感じ、見て学び、どうしたらよいかを自ら考えていく力があると振り返っていました。

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